元気に楽しく生きたい

抗うつ剤なしでパニック障害と闘う生活記録

パニック発作の再発は突然だった

#06

 

はじめてのパニック発作から2年、時は2024年4月。
なんとか克服し、1年のイギリス留学を終え、転職して1年がむしゃらに働いて1年が経過した頃である。

 

今の職場は前の職場と違ってとても忙しかった。
残業を強制されることはないが、仕事の内容を思っては「もう少しやったほうがいい」と毎日仕事に打ち込んでいた。
前職と違い、給与もあがっている、そして業界チェンジをしているのでその業界で通用する実績を持っていない中途採用、チーム内では一番年上という始末。
私が自分自身を律して頑張ることに集中するには十分な理由だった。

もちろん周りも上司も私を評価してくれていた。
頼りになると言ってくれるし、ダメ出しをされるようなこともほとんどなく、しっかりと仕事を任せてくれる。入社2ヶ月が経った頃には大学生アルバイト5〜6人をまとめるディレクションもやっていたぐらいだ。私自身もまだ慣れてないけど、そうも言ってられないスピード感がある業務ばかりだった。着いていくのに必死の反面、持ってるスキルを全部使ってでも成長したい、そう思っていた。


私にとって、誰かに認めてもらえることがとても嬉しかった。

そしてもっと役に立ちたいという気持ちが前のめりになり、実は削れていた体力や精神面に気づかずに1年突っ走ってしまったのだと思う。

もうすぐ1年が経つという4月、異変は突然起きた。
朝の通勤電車でパニック発作が起こる。
完全にではない、正しくは起きそうになった…いや軽く起きていたかもしれない。

今までは特に何もなかったのに突然動悸がし始め呼吸が苦しくなる。
「今すぐ降りたい!!!」と思い電車を降りた。
そして突然、えずく。おえっとなるたびに涙が目にたまるが、口からはとくに何もでない。

必死に胸をさすり、呼吸を整えるが血の気が引いてくる。
あわててホームのベンチに座る。

ああ、久しぶりの発作かもしれない。

その日は、「今日はもうだめだ、帰ろう」とプチパニックながらくだりの電車に乗って家へ戻った。幸い自宅から2駅くらいのところだったため早く戻れた。

 

そして、電車に乗っては、数駅後、やばい!という発作が起こりかけたり、えずいたりが続くようになってしまった。

幸い毎日出社ではなく、在宅ワークの日もあったので、出社の日だけである。

仕事は嫌いじゃなかった、楽しいとすら思っていた、しかし電車がどうもダメなのだ。

私は「体調が悪いので休みます」「体調がよくないので午前半休いただきます」「電車で体調が悪くなって帰宅したためリモートで仕事します」という状態。

 

そして出社した日、同僚にご飯に誘われて夜ご飯を食べに行った時、体調は悪くなかったものの、2軒目へ移動中、なんだか人混みが気になった。

都内だしうるさいのはいつものこと。夜だし飲屋街だし酔っ払いが多くてさらに騒がしいのもいつものこと、なのになんだかざわざわする。

そしてお店に入ってメニューをみていた時、やっぱり店内の人の話し声と音になんだか気分が悪くなってくる。

決して酔っ払っているわけではない。なんなら1杯も飲んでない。

同僚に「なんか…具合が悪い、ような、なんか、変な感じ」と正直に伝える。

結果このまま悪化しても怖いと思い、私だけ先に帰らせてもらった。帰りの電車でもなんだかモヤモヤと気分が悪い中、イヤホンで自律神経が整うBGMを聞いてなんとか帰宅した。

 

なんだか変な体調というのを言語化すると、「血の気が引きそうな予兆・感覚」である。実際にパニック発作のように血の気が引いてくる感覚まではいかない、でもこのままだとやばいかも、という感覚である。

 

そしてこの感覚が、友達と遊んでいたカラオケでも、一人で映画館に行った時も起こった。

 

朝の電車といい、休日や楽しい時間を過ごしている時といい、常に「パニック発作の再発」が頭によぎっていた。

 

そしてゴールデンウィークに入る。

大人数でのカラオケオフ会。私は楽しみにしていたし昼頃集合なのに、ベッドから起き上がれずにいた。

身体が重すぎる。

 

人との約束で、家を出る時間が決まってるのに起きれないなんとことは滅多になかった。

当然熱があるわけでもない、そして行きたいと思ってるのに身体が重くて起き上がれない。

眠いわけでもなかった、ただただ怠くて重くて…。

 

大人数だったため、遅れると連絡を入れて2時間くらい遅れて向かった。

結果カラオケは楽しめたのだがその後の夕飯はほとんど食べれず、苦しかった。

友達に「どうしたらメンタルを保てているか」を聞いてみたり、ストレス発散に何をしているか聞いた。

 

この時点で自分が疲れていることやストレスを抱えて不調を感じていることには気づいていた。

 

帰り際に「なんかもう、なんでもいいから褒めてもらいたいんだよね」ってポロッと出た言葉に友達が「それ、思ったよりやばいところまで来てるよ!通話で話聞くよ!?」と言ってくれた。

 

そうなのかな…?と思った翌日、私は仕事中に涙が止まらなくなる。

 

ゴールデンウィーク真っ只中の間日、出社しようとして電車に乗ったが案の定具合が悪くなり帰宅した。

そして、電車はダメだったけど家で仕事はできると思い「出社は難しいけどリモートでやります」と連絡を入れたら、上司が私を心配して「体調悪いなら無理せず1日休んでください」と。

 

わかってる。

 

でも、電車がダメなだけなんだ

 

そして、1日休んだだけで

治る問題ではないんだ

 

そう思って、このまま体調を理由にリモートにしてもらうことが難しくなってしまったと思った瞬間、逃げ道を塞がれたようでどうすればいいかわからなくなり、突然涙が止まらなくなった。

 

泣いたのは3年ぶりだった。

 

そう、3年前パニック障害になって実家に戻ってきたあの日依頼。

 

滅多に泣かない私は自分で泣いてることに、「ああ、限界だなあ」と客観的に思った。

 

そして夕方に時間をもらって正直に上司に今の状況を話すことにした。