元気に楽しく生きたい

抗うつ剤なしでパニック障害と闘う生活記録

聴覚・視覚の感覚過敏ってこんなにも辛い、緩和アイテムと付き合い方

休職する前から、なんだかおかしかった。

 

パニック発作こそ起こらないものの、人混みに行きたくない。
なんだか嫌な感じがする、静かなところにいたい。
そんな感じだった。

 

これって聴覚過敏?と気づいたのは、生活の音だった。
私は実家で両親と暮らしていたので、自分以外が出す「音」に過敏になっていることに気づいたのだ。


夕飯の支度をしている母からでる、ボウルを取り出す音、フライパンを引き出しから取り出す音。金属のようなアルミのような、ボワァーンと当たる音。
かちゃかちゃと食器同士が触れる音、それがなぜか耳障りに感じた。
大きな音が鳴れば誰だってうるさいと思うが、普段この音がどう、とか思ったことさえなかったのに、なんだか気になる。
母の機嫌が悪くて、イライラしながら引き出しから出し入れしているかのように聞こえるのだ。隣の部屋にいてもびっくりして顔を歪めてしまう。

そして夕食時には、スプーンやフォークが皿とあたる音。
父がカレーをスプーンを使って皿の上でかき集める音なんて目を瞑ってあからさまに耐えられない態度をとってしまうほど。

あとはコップをテーブルの上に置く音も無理だった。
普通に置いているのに、急に犬に吠えられたかのようにビクッと驚いてしまう。
耳を劈くような音に聞こえるとでも言うべきだろうか。
表現が難しいが、とにかくあらゆるいつもの「生活音」がうるさくて不快に感じるのだ。

 

しまいには人の声もダメだった。
普通に話している分にはいいのだが、少し盛り上がった時に声が大きくなるような時「・・・ごめん、もう少し声のトーン落として」とお願いするぐらい。
休職前からこの症状がでていて、ビデオ会議でも音量をとても下げないと顔を歪めてしまいそうなぐらいには人の声もダメだった。

 

なんか耳がおかしい。
全部の音がうるさく聞こえる。

 

不快に感じるだけで耐えられるのかどうかと聞かれると、正直厳しい。
人混みがわかりやすく、イオンのようなショッピングモールに行くと近くで会話は聞こえなくても人の「ざわざわ」音があると思う。
フードコートなんてその象徴で、エリアに近づくだけで目眩が起こり歩いていて感覚がなくなっていく。次第に手汗もでてくるし、呼吸も荒くなる。(動悸が少し起こる)

 

このままここにいたらパニック発作がでる、そう思って帰ったこともあった。

生活音もそんな感じだった。
夕食時に母と父がテレビを見ながら話していた時、特別盛り上がってるわけでもないのにまずテレビの音がダメで下げてもらう、それでも話し声・テレビの音・食器の音が合わさるだけでぐわんぐわんと目眩が起こってきて、気持ち悪くなってくる。
ああ、ダメだと思って部屋に戻って静かな部屋でふぅ、と深呼吸にした日も多かった。

親にはもちろん話していた。
聴覚過敏というものがあるのか調べてみて、当てはまっていると思ったから多分それが起こっていると。

ただ、周りはいつも通りにしていて、私が普通の音でも倍近く大きく感じてしまうのだから気をつけるといっても難しかった。

私の場合は

・食器の当たる音(皿同士・スプーンなども)
・コップをテーブルに置く音
・人の通った声・大きな声(盛り上がった時の笑い声とかも)
・人混みのざわざわ音
・大きな映像の音
・掃除機

がとくにダメだった。

大きな音でも以外と大丈夫だったのは、

自分で発した音(自分でコップを置く、自分の大きな声など)

だった。ちなみに少し良くなってからは、掃除機やドライヤーなど一定のリズム(?)がある音が大丈夫になった。
コップをテーブルに置く音や食器の音はずっとダメだった。

 

 

加えて、色彩過敏も少し起こっていた。
色彩過敏というのが正しい表記かわからないが、全部が色鮮やかすぎるように見えるというか、目に強く色が入ってくる。
それで目で見ているはずなのに情報が全然入ってこない、見ているのに強すぎて認識できない、という感じだろうか。文章で説明が難しい。

 

夕食を食べている時に、部屋の電気が眩しいと感じた。
目の前の料理の彩度が200%になったように色が強く目に残り、目で見ているのに頭がぐわんと目眩を起こす。
真夏の直射日光の下で物を見ている気分。そのあと部屋に入ると暗くないはずの部屋が暗く感じることがあると思う。その逆みたいな感じだ。普段より強く、眩しく見える現状だった。

 

幸いにも色彩過敏は、部屋の電気を1−2段階暗くしたり、スマホやPCの画面の明るさをかなり下げたりして乗り越えられたし、そんなに長くもないうちに治った。
休むに徹していた休職はじめくらいで落ち着いたように感じる。

しかし、聴覚過敏は、おそらく5月頃から感じ始め、良くなったなと思ったのは8月末くらいだと思う。7月の10日から休職を開始しているのでそこから休んだから良くなったと思いたいが、それでも4ヶ月はかかっている。

 

8月末、映画館に試しに行ってみた。
暗くて閉鎖空間、最初は映画館で発作が起こって安定剤を飲んだのが4月末、映画自体大丈夫かの検証だった。
映画館は大丈夫だったものの、映画ほどの音量はやっぱりまだ微妙にダメで、LOOPを軽くはめて鑑賞した。

 

Loopというのは日常使いできる耳栓だ!

画像付きでレビュー紹介したので見てほしい。

linkhere.jp

 

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最初はloopをつけて食事をしてみたり、出かけてみたりしたが、やはりすこし遮断感が気になった。
遮断感が強いとパニックの時の音が遠のく感じと似ているからだ。
そのため少し不安感が強くなる。そのため、映画館のように音は聞きたいが少し音量が強い時や、読書などで集中したい時に良いと思った。
あとは人の話し声はしっかり聞こえるので、環境音が強いお店で食事なども使えると思う。シーンに合わせて使いこなすのが私はよさそうだった。

※商品によっては遮断感が強めの耳栓としても売っている



ちなみに、音がうるさいと思う時はAirpodsノイズキャンセリングがものすごく役に立った。
本当に購入してよかったと思うほど。これがあってパニック発作が起こってからも怖くて乗れなかった電車に乗ることができた。
人混みも、Airpodsがあれば乗り越えることができたので大変重宝している。

普通に音楽を聞きたい時も音に集中できる。電車に乗っていても揺れ以外電車に乗っているということを忘れるほどだ。降りる駅だけ注意してみていないといけないが、「電車に乗っている」というだけで不安を感じる私には救世主のようなアイテムだった。

 

普通のワイヤレスイヤホンを持っていたが、桁違いのノイズキャンセリング力に私は感動したので、聴覚過敏やパニック障害で困ってる方は少し値は貼るが試してみてほしい。いい音で音楽を楽しみたい以外にもこんなところで救われるとは、と私は値段以上の買い物ができたと思っている。
(勧めてくれた同僚たちありがとう)

 

 

 

 

聴覚過敏は、一定期間経てばちゃんと良くなった。
音に過敏になっている時はそれだけ神経がおかしくなっていること、脳の認識がおかしくなっていることなので、とにかく休むこと。
寝るのもよしだが、脳の興奮を抑えるために脳を休ませる、リラックスさせることが大事だった。
うるさくない時間帯(朝や昼間)に近所を散歩するのも良い。車通りが多いなら、静かなところに行くまで耳栓して、その後外して自然の音を聞くのも良い。
リラックスできる音楽や脳にいいBGMを流して聞くのも良いと思う。日の光を浴びることも大切だ。

音が大きくて、目は色彩過敏で、だと暗くて静かな部屋でじっとするほかない。そんなことしていたらどんどん気が滅入ってしまいそうだった。
だからこそなるべく無理のない範囲で光をあびて風にあたった。

時間が解決したのか、毎朝の散歩の効果なのか、栄養なのかわからないが、Airpodsとlppoをうまく活用しながら4ヶ月以上かけて聴覚過敏は治っていった。

 

休職した時にも聴覚過敏が治らないと復帰できないなと思ったが、その時には「これ治る日なんて来るのか?」と本気で思っていたぐらいしんどかった。
目に見えない、周りもわからない、自分の脳がバグっているだけだからわかってもらえない症状だからだ。食器が当たる音ひとつで顔を歪めたくない。
「そんなに?」と親に言われたり、物音鳴らすだけで「ごめん」と謝られて気を遣われるのも苦しかった。
そんなこともあり、友達とお茶ぐらいならできるかも、と会い始めたものの、店を選ぶ時はとても慎重になる。なるべく騒がしくないところじゃないとずっと座っているのは厳しい、そう思ったからだ。

ホテルのアフタヌーンティーを選んだり、平日の田舎の店に行ったりそんな感じで、周りの音が気になって、目眩が起こらないか、発作が起きないか気が気じゃなくて、心から楽しめていない期間もあった。
それでも「出かけることができた」という小さな成功体験を重ねて、克服できたのだと思う。

過敏が辛い時期は安静にしたほうがいいが、行ける範囲で少しずつここは大丈夫かな?という検証を繰り返してほしい。
もしそこでダメだったとしても、検証しようと行動したことは一歩前進!偉すぎる行動だと自分を褒めてあげてほしい。


聴覚過敏が完全に治ったかと言われると、10月も11月も休職となってしまった今現在も、たまにまだある。
調子があんまり良くない日は、食器の音で、ウッと思う。
そういう日は、「今日はあんまりよくないんだな」と思って、無理はしないでゆっくり過ごすことにしている。

 

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